a stray sheep

お仕事周りの雑記帳

ど素人のサーバーラックでの発熱量についてのメモ

概要

ラックの設置に関して、搭載するサーバやNW機器を含めた設計をすることになった。
重量や電力はなんとかなるが、その中で発熱量について考えることになったので、調べたことの備忘録。

検証設備なので厳密ではないが、知っておいた方が良いかなと。

電力の単位

力率ってなぁに?、機器によって消費電力W、電流Aとか書かれてたり、書かれてなかったり、どれをどう使うの?

VA(皮相電力)

  • 電力のロスがないと仮定した電力のこと。実際にはロスが発生するので多めに見積もるのに利用する。
  • 電源から供給される電力といえる。実際にはすべて使われるわけでないので、皮相(=見かけ)って意味のようだ。

W(電力)

  • 実際に消費される電気エネルギーをロスを加味して表したもの
  • W = V × A x 力率(電力をどれだけ有効に使用できるかを示す値)。つまり、電子機器に記載されている「W(消費電力)」は、力率が考慮されているということ。
  • 皮相に対して、実際に消費される電力となる。

itskillmap.com

ラックと発熱量(ちょっと古い情報かもしれないが)

一般的なデータセンターでのラックの電源回路は1ラック当たり30Aくらいが多いらしい。でも、やろうと思えば、電源回路を増やして60Aとか、90Aのラックは作れるっちゃあ作れる。

じゃあ、90Aのラックを作って沢山の機器を設置するとどうなるか?それをすると、ラック内に冷却することができないくらいの熱が溜まってしまうのだ。
通常の冷却設備だと6000W(60A x 100V)以上の発熱を確実に冷却する手段はないらしい。それがラック当たりの発熱量を制限される理由である。

19インチラックだからたくさん載せられるじゃんとか、PDU載せて電源ケーブル引けばいいじゃんとか、サーバは自分で冷却するからいいじゃんとか思ってたけど、間違いでした><

冷却設備の増強という考えも浮かぶが、冷却しても90A分の廃熱があるわけで、自分のラックは良くても、ほかのラックへの影響が出てくる。そう簡単な話でない。

まずはちゃんと発熱量を求めてみようと思う。

発熱量の求め方

  • 消費電力Wが記載されていればその値を使えばよいと思う。
  • 消費電力Wが記載されていなくて、電流Aだけ記載されている場合は、V x A x 力率80%で計算。※力率は明示されていないケースが多いと思うので関係者と話し合って決めるのがいいが、一人で決める場合はエイヤーで「80%」でいいんじゃないか、と。もしくは、力率100%の皮相電力VAで計算して、ラック当たりの発熱量が大きくなったなら力率を考えるって手も。